研究用途を前提とした管理体制
研究用途を想定した管理 ― 細胞研究の知見を参考にした管理体制
当社が提供する幹細胞培養上清液は、研究用途を想定した管理体制のもと製造しています。無血清培養環境で処理を行い、研究資材としての取り扱いに配慮しています。成分については、国内外の研究において成長因子やサイトカイン、エクソソームなどが含まれると報告されており、学術的な検討対象としてご利用いただけます。

研究用途のために整えられた管理環境
培養工程と継代管理
幹細胞培養においては、継代(パッセージ)回数や培養条件によって性状が変化することが研究で報告されています。当社が提供する資材については、低継代で採取を行い、研究用途資材としての取り扱いに配慮しています。
幹細胞の培養では、継代(パッセージ)回数や培養条件によって性状に違いが生じることが研究で報告されています。研究分野においては、一般的にP3〜P5程度までが用いられることが多く、それ以上では性状の変化が検討対象となるとされています。
当社が取り扱う幹細胞培養上清液は、初期段階(P1〜P3以内)で培養を終了し、上清液を採取しています。これは長期培養を避けるための研究用途上の対応であり、取り扱いに配慮しています。
培養は低酸素環境(5% O₂)条件を採用し、また培養基材には動物由来成分を使用していません。これにより、研究用途資材としての再現性に配慮した管理を行っています。
出荷時の確認項目
製品ごとに研究 用途資材としての特性を確認し、あらかじめ定めた社内の確認項目をクリアしたものを提供しています。
本製品は研究用途資材として、製造の過程で複数の性状確認を行っています。ロットごとの測定値に基づき、社内で定めた確認項目を満たさない場合には提供を控えています。研究用途における取り扱いに配慮し、再現性を意識した管理体制を整えています。
無血清培養
当社が取り扱う幹細胞培養上清液は、研究用途を想定した管理環境で無血清培養を行っています。培養過程では動物由来成分を使用せず、研究資材として利用いただけるよう配慮しています。
1. 無血清培養の意義
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動物由来成分を使用しない
従来の血清培養(例:ウシ胎児血清=FBS)では、動物由来のタンパク質やホルモンが含まれる場合があり、研究利用において組成の変動が課題とされています。当社が取り扱う資材は無血清培養を採用し、動物由来成分を用いない条件で培養しています。
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組成の均一化への配慮
血清はロットごとに成分が変動するため、研究利用時に結果へ影響を及ぼす可能性が報告されています。無血清培養では組成が一定に設定されるため、管理の一助となります。
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研究分野での推奨傾向
国際的な研究指針(ICH、FDA等)においても、血清を用いない培養条件が紹介されており、研究開発における一つの方法として利用されています。
2. 無血清培養の特徴
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動物由来成分を含まない条件
未知の動物因子が含まれる可能性を低減できます。
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組成の明確化
幹細胞が分泌する因子を反映しやすい培養条件とされています。
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再現性への配慮
研究利用においてロット間のばらつきを抑制しやすいとされています。
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国際的な研究動向
国内外の研究においても、血清を用いない培養が進められています。
3. デメリット・課題(補足)
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培養条件が難しく、細胞の維持や増殖効率が血清培養に比べて課題となる場合があります。
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無血清培地は開発や調整にコストがかかることがあります。
無血清培養は、コストや技術面での難しさはあるものの、組成の均一性や再現性といった観点で研究用途に利用される方法として注目されています。当社が提供する幹細胞培養上清液も、無血清培養条件で製造しており、研究資材としての利用を前提に取り扱いに配慮しています。

培養士による目視確認
オートメーションに頼らず、培養士による目視や手作業で確認を行う体制を取り入れています。
幹細胞培養には自動化設備を利用する方法もありますが、研究分野では細胞の状態を顕微鏡で観察しながら培養を行う手法も広く用いられています。
当社が取り扱う幹細胞培養上清液は、培養士が細胞の形態や色調を日々確認し、培地交換や回収時期を調整しています。これにより、研究用途資材として安定した取り扱いに配慮しています。
原液へのこだわり
研究用途資材として、添加物を使用せずに製造した培養上清液を凍結保存し、提供しています。
当社が提供する幹細胞培養上清液は、研究用途資材として添加物を加えずに製造し、希釈せず凍結保存しています。
無血清培養条件を採用し、動物由来成分を使用しない形で製造しています。
製造工程では、研究用途資材として利用いただけるよう、社内で設けた確認項目(培養条件や無菌性など)に基づき管理を行っています。
また、国際的な研究指針を参考にしながら、取り扱いに配慮した体制を整えています。
臍帯幹細胞培養上清液
研究用途資材としての確認体制
感染症やドナー背景に関して、複数の観点から確認を行う体制を整えています。
1. 臍帯由来幹細胞の特性
臍帯(へその緒)は出産時に母体から得られる組織であり、非侵襲的に採取できることから研究分野で利用対象となっています。臍帯由来幹細胞については、増殖能に関する研究が報告されており、基礎研究や学術的検討の素材として広く取り上げられています。
2. スクリーニング可能な範囲
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感染症検査(母体血を含む)
HIV、HBV、HCV、梅毒など主要な感染症について、母体や臍帯血を対象に検査が行われる場合があります。 -
分娩時の背景
分娩時の母体の状態や周辺環境に応じて確認が行われることもあります。これらは研究分野において一般的に実施される確認項目の一部とされています。
3. スクリーニングの限界
現在利用されている検査手法には限界があると報告されています。出生直後の臍帯由来組織の検査では、将来的に現れる可能性のある遺伝的背景や代謝に関する要因までを完全に把握することはできません。また、新生児期には確認できない因子が成長過程で顕在化する場合や、既存の検査では対応できない未知の要素が存在する可能性も指摘されています。
4. 当社の取り扱いについて
当社取り扱いの幹細胞培養上清液は、研究用途資材としての利用を前提に、国内外で参照される研究指針を踏まえた確認項目を設けています。感染症やドナー背景に関する確認を行うほか、製造過程の各段階でチェックを実施しています。さらに、無血清培養条件の採用や、無菌検査・エンドトキシン検査など複数の確認工程を組み合わせ、研究用途における再現性に留意した運用を行っています。
5. 実際の確認体制
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ドナーに関する感染症検査
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無菌操作・微生物試験・エンドトキシン検査(研究用途資材としての確認項目)
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複数ロットにわたる性状確認
ただし、科学的技術の限界から、将来的に顕在化する可能性のある遺伝的背景や未知の因子については現行の検査のみで完全に把握することはできないとされています。そのため、当社では研究資材としての提供を前提に、可能な範囲での確認体制を整えています。
まとめ
臍帯由来幹細胞は、非侵襲的に得られるため研究用途で利用される組織源の一つとされています。感染症や既知のリスクについては検査で確認されることがありますが、遺伝的背景や未知の因子など、現行の手法で完全に除外できないリスクが残ることも報告されています。そのため、研究用途では「無血清培養」「無菌検査」「エンドトキシン検査」など複数の確認項目を組み合わせ、取り扱いに配慮する体制が整えられています。
参考文献)
国際文献
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脂肪由来幹細胞培養上清液
感染症スクリーニングやドナー背景に関する確認を行ったうえで、研究用途資材としての管理体制を整えてい ます。
当社が取り扱う脂肪由来幹細胞培養上清液は、研究用途資材として提供しています。原料となる脂肪組織は、一定の基準を満たした成人ドナーから提供を受け、ドナー背景に関する確認を行ったうえで管理しています。
製造工程では、無血清培養条件を採用し、動物由来成分を使用しない手順を取り入れています。また、無菌操作やエンドトキシン検査など、複数の確認項目を設けて運用を行っています。
国内外の研究においては、幹細胞に関する年齢差や分泌因子の違いについて報告がみられます。研究用途資材の提供を前提に、既存の研究知見を参考にしながら取り扱いに留意しています。
参考文献)
国際文献
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宮田英之, 他. 「加齢が間葉系幹細胞の機能に及ぼす影響」 日本再生医療学会雑誌. 2016;15(2):95–101.
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